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投稿日/2021年3月1日

かまぼこは添加物多いというウソ(2)     かまぼこ百科⑥

かまぼこ博士のかまぼこ百科


「かまぼこ博士のかまぼこ百科」は、舞鶴かまぼこ協同組合の辻義雄専務理事(舞鶴市民から「かまぼこと博士」呼ばれています。)が執筆され、2011年から約4年間にわたり、舞鶴市民新聞に連載されたものです。かまぼこ、とりわけ舞鶴かまぼこへの愛に満ちた「かまぼこ博士のかまぼこ百科①~㊺」を順次、21回に分けて掲載します。読めばあなたも「かまぼこ博士」。そして、舞鶴かまぼこがとても食べたくなってしまいます。
なお、当コラムに掲載するにあたっては原文のままとし、日時や役職、社名等も当時のままとしています。また、今では存在しないメーカー、商品もありますのでご了承ください。

かまぼこは添加物多いというウソ(2) 

着色料についても、かなりの人が、健康への影響ありと考えておられるようだが、紅白の色合いは、日本人のハレの場を表現する唯一の歴史的、文化的な色合いである。
しかも、かまぼこを一生の間食べ続けても、摂取できる着色料の量はとても健康への影響があるような量ではない。 逆にどうしてもそれが嫌な方は、色のついていない白板か、表面を焼いた焼板をお求めになっていただければ、問題は解決する。
また、厚生省で認可された着色料についてさえも、合成品イコール毒というような極端な考えをする方が多くいらっしゃるが、天然着色料についても、退色が早いだとか、色合いが悪いだとか、合成品の数倍から数十倍というような量を入れないと色調が保てないといったいろんな問題があるので、われわれ生産者からすると、天然物だから安全ということはまず考えないほうがいいと思う。
また、かまぼこは製造する際に、独特のアシ形成(弾力形成)を阻害する油脂分は取り除かれるので、油脂の酸化を防止するためによく使われている酸化防止剤なども添加する必要はない。 また、一時、海洋汚染で騒がれたPCBのようなものは、ほぼ魚の油脂分に溶け込んでいる場合が多いのであるが、製造段階で油脂分を除去しているかまぼこはそうした海洋汚染の影響を受けにくいということができる。
このように、かまぼこという加工食品は、消費者がイメージで抱いているほど、添加物が使われているわけではない。
基本的に魚肉に添加されているものは、塩、砂糖、みりん、てんぷん、卵白、調味料………など、添加物というよりも食品に分類されるものがほとんどである。
また、塩については、かまぼこには3%以上の塩が入っていて、高血圧の人はあまり食べないようにとまことしやかにアドバイスしている栄養士さんなどがおられるようだが、これはあきらかに誤解が生んだ定説?といえる。
昔、かまぼこ屋さんが魚肉に塩をいれて、塩にとけるタンパク質を抽出する工程で、元の魚にたいして3%程度の塩を加えて練ったということが、一人歩きして、それが「塩分3%の定説?」になってしまったのかもしれない。
実際には、ほどよい食感にするためにさらに氷水や、砂糖、みりん、卵白、だし(調味料)などをいれて練っていくので、実際の製品の塩分値は2%前後となってる。
多くの加工食品の中でも、塩分値が2%程度の食品は、とても高塩食品とは言えない。まして、食パンのように一度にたくさん食べられるものでもないはずである。(食パンやうどんのような主食でも塩分が1~2.5%程度は含まれていることをご存知だろうか)
かまぼこが非常に消化の良い食品であるのに、消化が悪い食品だと思われていたり、まだまだ、誤ったイメージが定着しているようである。こうしたことを、一つ一つちゃんと説明をしてこなかった我が業界の責任は重いといわざるを得なない。

 

 

 

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