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投稿日/2021年9月17日

舞鶴かまぼこをささえる組合組織  かまぼこ百科⑬

かまぼこ博士のかまぼこ百科


「かまぼこ博士のかまぼこ百科」は、舞鶴かまぼこ協同組合の辻義雄専務理事(舞鶴市民から「かまぼこと博士」呼ばれています。)が執筆され、2011年から約4年間にわたり、舞鶴市民新聞に連載されたものです。かまぼこ、とりわけ舞鶴かまぼこへの愛に満ちた「かまぼこ博士のかまぼこ百科①~㊺」を順次掲載します。読めばあなたも「かまぼこ博士」。そして、舞鶴かまぼこがとても食べたくなってしまうでしょう。
なお、当コラムに掲載するにあたっては原文のままとし、日時や役職、社名等も当時のままとしています。また、今では存在しないメーカー、商品もありますのがご了承ください。

舞鶴かまぼこをささえる組合組織 

舞鶴かまぼこの特徴として、地元あるいは近海の鮮魚を組合直営工場で生すりみにして、舞鶴のメーカーが全員、それを原料として使ってかまぼこ作りをしているということは何度も述べてきた。 もちろん、近海の鮮魚だけでは量は足らないので、冷凍すりみも購入して混ぜて使っている。 一般に高級品になるほど生すりみの比率が高く、下級品になるほど冷凍すりみの比率が高くなるし、その等級も低くなる。
ただ、舞鶴のかまぼこ業界は、他地区とは異なり、組合を中心とした事業運営をしていることから、使用する原材料は組合の検査室で厳重な検査をして、合格したもののみを購入するという形になっているため、組合員であるかまぼこ屋さんが、勝手に原料を買いつけて、安かろう悪かろうに走ろうとしても走れない仕組みになっている。
他の地域では、各かまぼこ屋さんが独自に、ディーラーさんから原料を仕入れるため、現在のようなデフレ状況になると、末端から値下げ要求があると、値段をあわせるために品質が悪くても、安い粗悪品の原料を使ってでも、コストを下げて対応するというようなケースも多いと聞く。
冷凍すりみといえども、舞鶴で使っている原料の等級は最上級のものであり、他の多くの地区よりも1ランクも2ランクも上である。(同業者に、保管している冷凍庫内を見せると、その等級の高さに驚かれることが多い。)
組合では、原材料の共同購入を進め、現在では、組合員の利用結集率が100%近い状態にある。 これは組合と組合員の信頼関係が究極の状態に達していることを意味するものであり、この信頼関係を損なわないような努力が双方に求められている。
また、冒頭に記した“地元鮮魚から造る生すりみ”を地域ぐるみで共同で生産し利用加工している地域は、全国でみても、長崎と舞鶴くらいになっている。
舞鶴かまぼこ協同組合は協同の購入、保管、配送、販売、検査などの事業を実施し、ほぼ、その事業収益のみで運営されている。 組合員との協労によりここ15年来、一度も赤字に陥ることなく、2年前にはかまぼこ型の屋根を特徴とする新社屋を建てることができた。
特に、他の同業者組合にない舞鶴だけの事業が共同加工事業と共同販売事業と協同検査事業である。 共同加工事業は、すでに説明をした地元鮮魚を生すりみにして組合員に供給する事業である。共同販売事業は、組合員企業による独自の販売のほかに、組合でも組合員が製造した製品を買い上げて、他所の地域に販売するという事業である。 通信販売事業である「ふるさと舞鶴便」も運営し、全国のふるさと出身者を中心に舞鶴の産品を広く販売し、好評をいただいている。
注目の共同検査事業であるが、世界最速を誇る原料検査システムや、できあがった組合員の製品の品質検査なども組合で実施し、各種証明書の発行や仕入れ原材料の決定をするための重要なデータ作成業務などをおこなっており、当事業は全国でも注目されている。    検査というとすぐに専門の職員をという人がいるが、私どもでは、普通の高校を卒業した女性も会社で教育して、事務をしながら細菌検査や各種分析業務ができるように育てあげている。 当組合の職員は、全員が中途採用であり、いずれも他企業で働いてきた経験と専門性を持っているので、配送、営業、事務、総務、検査、オペレーターなどいろんな業務を複数こなすことのできるスーパー(ウー)マンが多い。

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