かまぼこ博士のかまぼこ百科
「かまぼこ博士のかまぼこ百科」は、舞鶴かまぼこ協同組合の辻義雄専務理事(舞鶴市民から「かまぼこ博士」と呼ばれています。)が執筆され、2011年から約4年間にわたり、舞鶴市民新聞に連載されたものです。かまぼこ、とりわけ舞鶴かまぼこへの愛に満ちた「かまぼこ博士のかまぼこ百科①~㊺」を順次掲載します。読めばあなたも「かまぼこ博士」。そして、舞鶴かまぼこがとても食べたくなってしまうでしょう。
なお、当コラムに掲載するにあたっては原文のままとし、日時や役職、社名等も当時のままとしています。また、今では存在しないメーカー、商品もありますのがご了承ください。
海外かまぼこ事情 韓国編②
とにかく、無事出発すると、遅い昼食は早速、機内サービスのお弁当となり、壁面のテレビで現在飛行している位置を確認する。
その後瀬戸内海をしばらく横切っていたと思うと途中で北上し、島根あたりの上空から日本海にはいった。もちろん画面モニターは日本海でなく東海(イーストシー)と表記されてる。ふと現地でこうした話題から日本人と韓国人とのちょっと した感情のもつれがないことを祈る気持ちになった。
到着時間が1時間遅れて、現地で空港に迎えにきてくれているスタッフは待ちぼうけをくらってるんじゃないかと心配するが、中塚氏は心配しなくても現地にすでに遅延の情報が行っているだろうというのでいらぬ心配はしないことにした。
韓国のソウルの仁川国際空港は、ちょうど関西空港のようにひとつの島になっているが、空港の広さは関西空港とは比較にならないほど広かった。
ちょうど大阪の伊丹空港に相当するのが韓国の金浦空港であり、関西空港に相当するのがこの仁川空港である。ようやく韓国に着陸し、空港出口に向かい英語の名前の書いたプラカードを差し出している人が10人ほどいたので、自分たちの名前の書いたカードを持っている人を探す。ずーっと目を人の列にそって流していくと、あったあった。
Mr.Tsuji のプラカードを差し出している人を発見!なんと挨拶したらいいのだろうと思っているうちに、中塚氏が流暢な英語で話しかけていた。航空便が遅れたのでお詫びと迎えのお礼を言っているのはわかった。
車にのってソウル市内まで約1時間近く高速道路を走る中、名刺交換し、彼が李さんという研究員であることを知る。その上で、自己紹介をし、中塚氏が最初に”(辻さんは英語が喋れません)Mr.Tsuji can not speak English”と私が日本語しか話せないことを伝えた。
そのため、それ以後の会話は李さんと中塚氏だけの会話となり、私は完全に部外者となり、なんだか寂しい感じもした。「俺だって、10年近く学校で英語を習ってきたのに…….」と日本の英語教育の貧弱さをつくづく感じしてしまった。
中塚氏は、大阪大学の工学部を卒業しているが、別に英語に関して私とは違う特別のことをしたわけでもないのに、この差(喋れるのと喋れないの差)はどこからきているのかが気になって、後で聞いたのだが、彼は神戸に生まれ育ったせいで、 幼少のころから外国の人との交流が多く、外国語を喋ることに抵抗がなかったし、 学生時代に英会話のサークルのようなものにも加入していたことがあると聞き、納得した。
とにかく、社内の会話を隣で聞いていて、李さんの年齢が33歳で、親兄弟と高速道路沿いのマンションに住んでいて、会社までの通勤に毎日2時間かけていることがわかった。したがって、彼は独身であることもわかったのである。