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投稿日/2021年3月1日

かまぼこは贅沢なたべもの  かまぼこ百科⑧

かまぼこ博士のかまぼこ百科


「かまぼこ博士のかまぼこ百科」は、舞鶴かまぼこ協同組合の辻義雄専務理事(舞鶴市民から「かまぼこと博士」呼ばれています。)が執筆され、2011年から約4年間にわたり、舞鶴市民新聞に連載されたものです。かまぼこ、とりわけ舞鶴かまぼこへの愛に満ちた「かまぼこ博士のかまぼこ百科①~㊺」を順次掲載します。読めばあなたも「かまぼこ博士」。そして、舞鶴かまぼこがとても食べたくなってしまうでしょう。
なお、当コラムに掲載するにあたっては原文のままとし、日時や役職、社名等も当時のままとしています。また、今では存在しないメーカー、商品もありますのがご了承ください。

かまぼこは贅沢なたべもの 

日本の水産加工品の多くは、保存性を追及したものが多い。塩水に漬けてから干した魚の干物であるとか、高濃度の塩や砂糖に漬け込んで保存性を増したものであるとか、内臓や味噌やこうじにつけて発酵による香りと保存性を期待したものであるとかが殆どである。
しかしながら、「かまぼこ」だけは、他の加工品のような保存性を大きく期待したものではなく、お魚の身だけを食べたいという超グルメ発想から生み出された唯一の水産加工品であったということである。このことは、京都大学の名誉教授であった故清水先生にお聞きして、メモしていることであるから事実に間違いがないだろうと思われる。実際には、戦後、ビルマ(現在のミャンマー)やベトナム奥地で日本の揚げかまぼこ(舞鶴では天ぷらと呼ぶ)に似たような食べ物を食べている民族がいることが知られ、かまぼこのルーツは東南アジアではないかと推測されている。
それは事実であったとしても、それを現在のように魚肉だけを取り出して、その身を水で洗って色を白くし、魚の臭みや雑味を取り除き、油脂分を取り除いて独特の歯ごたえを出して、しかも、板につけて蒸しあげるというような食品にまで完成させた民族は世界広しといえども日本人しかないのである。
日本人が生んだ世界でも誇れる伝統食品であるかまぼこは、当時から日本人がいかにすぐれた食品加工の技術力を持っていたかを示している。
江戸時代に、ペリー提督が黒船にのって日本にやってきて、徳川幕府に開国を迫る中、当時の市民の暮らしぶりや、文化程度を調べて本国に報告しているものの中に「日本は、鎖国により多くのことは西洋に比べて、技術的に遅れているが、生活の中に根ざしている技術水準は非常に高く、応用力に富んでいる。なによりも新しいことを学んで吸収しようという意欲は非常に強い。将来わが国がこの民族を通商で敵にまわせば、脅威となる国の一つになるだろう」というような内容のことが記されているという。
かまぼこが贅沢品であるというのは、その原料の処理工程を見てもわかる。板についたかまぼこにする魚は、まず、頭と内臓をとり、骨と皮を取り去った身だけをたっぷりとした量の冷たい真水の中で洗うのである。その際に、血合いであるとか、汚れであるとかを洗い落とし、次に水槽を移して、魚の不要な油脂分を浮かせて取り去る。(油脂分のはいったすりみからは弾力のあるかまぼこができない)。最後に水分を搾り取る。
元々100あった魚から、こうしてできあがってくる魚の晒し肉は20くらいになる。つまり元の魚からは5分の1しかとれない晒し肉を原料としてかまぼこが作られているということであるから、いかに贅沢かがわかっていただけると思う。
かまぼこは、塩溶性たんぱく(塩によく溶けるタンパク質)を主に取り出して、これに2%前後の塩を加えて溶かし出し、分子量の比較的小さなミオシンというたん白を網目状に分散させて、さらにこれに熱を加えることで網目が固定されることで、バネのような構造になる。
これがかまぼこのアシ(弾力)といっている独特の食感を生んでいるわけである。
アシは使う原料の魚種によっても、魚のとれる海域、季節によって変動する。このため、地元の鮮魚を使い続けている舞鶴の職人たちの経験と勘と、協同組合の技術支援により、品質が大きく変動しないようコントロールされている。

 

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