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投稿日/2024年2月7日

海外かまぼこ事情 韓国編⑤  かまぼこ百科㊲

かまぼこ博士のかまぼこ百科


「かまぼこ博士のかまぼこ百科」は、舞鶴かまぼこ協同組合の辻義雄専務理事(舞鶴市民から「かまぼこ博士」と呼ばれています。)が執筆され、2011年から約4年間にわたり、舞鶴市民新聞に連載されたものです。かまぼこ、とりわけ舞鶴かまぼこへの愛に満ちた「かまぼこ博士のかまぼこ百科①~㊺」を順次掲載します。読めばあなたも「かまぼこ博士」。そして、舞鶴かまぼこがとても食べたくなってしまうでしょう。
なお、当コラムに掲載するにあたっては原文のままとし、日時や役職、社名等も当時のままとしています。また、今では存在しないメーカー、商品もありますのがご了承ください。

海外かまぼこ事情 韓国編⑤

朝食を食べながら、リラックスして迎えが来る予定の午前8:30にパソコンなどの商売道具を入れたカバンを持ってロビーで待っていると、昨日からずっと一緒にいてくれている李さんが迎えに来てくれた。中塚氏とは、旧知の友のように親しく挨拶して握手までして、さらにお互いの携帯番号の交換などをしていたが、残念ながら私はほとんど無視されてしまい、また、テンションが下がるのを感じてしまった。昨夜覚えた韓国語を緊張しながら、少し喋って笑いを誘おうとしたが、逆に“グッドモーニング”と韓国スタッフに英語で答えられてしまい、益々しらけてしまった。<不器用な日本人ここにあり!>
工場に着くと、昨夜、一緒に夕食をとった工場のスタッフが笑顔で迎えてくれ、初めてお会いした人に“アニョハセヨ”と元気よく挨拶すると、“おはようございます”と返事が返ってきてびっくりするとともに、その人がキム氏(海外事業部貿易 チーム部長代理)であり、本日の日本語翻訳をしてくれる強い味方であることがわかった。
昨日、一日中、中塚氏以外の人とは日本語を話すことのなかった自分にとって、日本語が自由に話せる環境は天国に近いものだった。とたんに元気がでてきた。<単純な日本人ここにあり!>
昨夜、中塚氏とも話し合って、「もし時間が足らないのなら、3日目の午前中もディスカッションの時間をとってもいい。日本への帰国の飛行機便をひとつ遅らせてもいい。もし、それを望まれるのならそちらで航空券を手配しなおしてほしい」と申し出たが、数分間、別室で協議してから、部屋に戻ってきたキム氏が「もし、時間が足らなくて、積み残した分があっても、また、レポートで日本にお帰りになってから提出していただいても結構なので、とりあえず、予定どおりでやりましょう」と言った。
まず、3階のベランダから、おおまかな工場の構成を教えてもらう。日本でこれと同規模の工場を作ろうとすれば、かなり広大な敷地が必要であろうが、彼らの工場は縦に積みあがっているため、敷地としてはさほどでもない。(ソウル近郊もまとまった土地は少ないのか、あるいは地価が高いのかもしれない。)
ビルを改造したり、隣のビルとつなげたりということで以前は工場ではなかったスペースまで現在は工場になっているのだという説明を受けた。
最初は地下2階にあるカニ足ラインを見ることにした。日本製のボールカッター、サイレントカッターから練成肉がホッパーに移されるのを横目で見ながら、パレットに積まれているすりみを見た。
すりみの種類と等級は、イトヨリやタチウオの下級すりみであるということであった。澱粉は水で溶いて入れていないように見えたので、“水で溶解させてから投入したほうが粉立ちがなく工場が汚染されなくていいし、澱粉の練りこみも均一になる”と指導したが、二等粉と一等粉があって、一等粉は水で溶いて入れているが、二等粉は作業性が悪くて、そのまま投入しているのだという。(少し意味がわからず、後のディスカッションへ、持ち越すことにする。)

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