中筋小学校6年2組の児童たちが、前回の調理実習をもとに、シイラのレシピを紹介する動画を作ってくれました。
とりくんだきっかけを紹介
シイラのムニエル トマトソース(2月の給食になった)
シイラの竜田揚げ
シイラの唐揚げ
シイラのカレーフライサンド
シイラの照り焼き
シイラのチーズ乗せ焼き
シイラのガリバタソテー
中筋小学校6年2組のみなさん、素晴らしいとりくみをありがとうございました!
ぜひレシピを参考に、舞鶴のおいしい魚・シイラを食べてみてくださいね!
中筋小学校6年2組の児童たちが、前回の調理実習をもとに、シイラのレシピを紹介する動画を作ってくれました。
とりくんだきっかけを紹介
シイラのムニエル トマトソース(2月の給食になった)
シイラの竜田揚げ
シイラの唐揚げ
シイラのカレーフライサンド
シイラの照り焼き
シイラのチーズ乗せ焼き
シイラのガリバタソテー
中筋小学校6年2組のみなさん、素晴らしいとりくみをありがとうございました!
ぜひレシピを参考に、舞鶴のおいしい魚・シイラを食べてみてくださいね!
中筋小学校6年2組の児童たちが、前回の授業をふまえて、グループに分かれてシイラのレシピを考え、自分たちで実際に作ってみることになりました。
舞鶴市食生活改善推進員協議会「はまなす会」の方にサポートをお世話になり、調理スタート!
和風・洋風・軽食…様々に考えられたレシピたち。
グループによって使う食材、調味料も様々。
初めて作るレシピなので試行錯誤しながら、それぞれ完成させました。
調理後はみんなで試食しました。どれも美味しい!
※このとりくみは毎日新聞・京都新聞にも掲載されました。
毎日新聞:令和3年12月15日掲載「シイラ、おいしく食べたい!」
京都新聞:令和3年12月18日掲載「舞鶴で水揚げ シイラのレシピは」
なお、中筋小学校の2月の給食にはこの日つくったレシピの一つ、「シイラのムニエル トマトソース」が登場!他のクラスでも味わってもらうことができ、美味しいと好評でした。
メニューを考案したグループからも美味しい!との声。 |
気になるレシピは児童たちの力作動画でご紹介します。次の投稿をご覧ください!
中筋小学校6年3組の児童たちが辻先生のかまぼこ講義を踏まえて
舞鶴かまぼこのキャラクターを考えてくれました。
各グループ個性あふれるキャラクターをデザインし、発表会を行いました。
発表会には舞鶴かまぼこ協同組合の辻専務や舞鶴市役所水産課職員などが招かれ、各グループの発表を聴かせていただきました。
多種多様なキャラクターを考えてくれた6年3組のみなさんありがとうございました!
キャラクターは辻先生を通じて舞鶴かまぼこ協同組合へ届けられました。
「かまぼこ博士のかまぼこ百科」は、舞鶴かまぼこ協同組合の辻義雄専務理事(舞鶴市民から「かまぼこと博士」呼ばれています。)が執筆され、2011年から約4年間にわたり、舞鶴市民新聞に連載されたものです。かまぼこ、とりわけ舞鶴かまぼこへの愛に満ちた「かまぼこ博士のかまぼこ百科①~㊺」を順次掲載します。読めばあなたも「かまぼこ博士」。そして、舞鶴かまぼこがとても食べたくなってしまうでしょう。
なお、当コラムに掲載するにあたっては原文のままとし、日時や役職、社名等も当時のままとしています。また、今では存在しないメーカー、商品もありますのがご了承ください。
古くから「おらんだ」と呼ばれている商品が舞鶴にある。 現在、舞鶴では蒲鉾屋の老舗のひとつである「藤六(ふじろく)」でしか作られていない。 藤六の店主は高野雄(昭和31年生まれ)である。
注文生産でもあり、すべて手作りなので、一日に生産できる本数も数十本に限定されているが、「おらんだ」は第61回全国かまぼこ品評会(平成21年)に出品したところ、いきなり水産庁長官賞を受賞し、一躍全国の脚光を浴びることとなった。
また、大阪で開催された第60回全国水産加工たべもの展(平成23年)の審査会でも、大阪府知事賞を取得しており、隠れた銘品となっている商品でもある。
これまで、自社の店頭売りしかしていなかったのであるが、この度、JR西舞鶴駅に出来た舞鶴観光ステーションや赤レンガパーク内の知恵蔵で販売されるようになっているので、ぜひお買い求めいただきたい。
「おらんだ」の名前の由来を店の主人である髙野雄氏に聞いてみたが、本人も先代からは伝え聞いてないらしく、いろいろ調べてみても、これというはっきりとした由来を記述したものにはめぐりあわない。
舞鶴では、小麦粉やパン粉など衣をつけて油で揚げたものも、魚肉すりみを油であげたものも両方「てんぷら」と呼んでいる。 関西一円でも、おおむね同様の呼び方をしている。
しかし、魚肉すりみを油で揚げた商品は、たとえば鹿児島に行くと「さつまあげ」だとか「つけあげ」、関東の一部では「揚げかま(ぼこ)」などと呼んで、衣のついたてんぷらと魚肉すりみを揚げたものとを区別している。
「天ぷら」の語源を調べてみるとおもしろい。オランダ語で油で揚げた食べ物を「テンポラ」と言ったことから、これがなまって「テンプラ」になったという説や、ポルトガル語では「テンペラ」と発音したので、それが「テンプラ」になったという説などがある。
こうしたことから、どこかの地域で、一時的に小麦粉、パン粉をつけて揚げた「テンプラ」と魚肉すりみを揚げた「テンプラ」を区別する際に、語源である言葉をもつ国の名「オランダ」を洋風な(ハイカラな)食品のネーミングとして利用したのではないかというのが私が苦労して調べ上げた末の推理である。 “オランダ”は調べると、舞鶴だけでなく、長崎、神戸など、当時外国との交流の盛んであった地域の煉製品のネーミングにも使われていた形跡があるが、現在は数えるほどしか残っていない。
この舞鶴の“おらんだ”の製法は、魚肉をいったん竹棒にまき、すだれを巻いて蒸しあげ、ちくわのような形のかまぼこをつくる。これをいったん冷やしてからサラダ油でじっくり揚げる。つまり、形を作ってから、蒸して、冷やして、また揚げるというけっこう面倒な一連の作業がすべて手作りで進められているわけである。
実際に食べてみると、表面はサラダ油で揚げたため、キツネ色に染まって香ばしいが、中心のほうはしっかりかまぼこ特有の弾力とあじわいを有している。 中央の空洞に野菜を入れて輪切りにして出すと、酒の肴に最適なのではないだろうかと思ったりする。
「かまぼこ博士のかまぼこ百科」は、舞鶴かまぼこ協同組合の辻義雄専務理事(舞鶴市民から「かまぼこと博士」呼ばれています。)が執筆され、2011年から約4年間にわたり、舞鶴市民新聞に連載されたものです。かまぼこ、とりわけ舞鶴かまぼこへの愛に満ちた「かまぼこ博士のかまぼこ百科①~㊺」を順次掲載します。読めばあなたも「かまぼこ博士」。そして、舞鶴かまぼこがとても食べたくなってしまうでしょう。
なお、当コラムに掲載するにあたっては原文のままとし、日時や役職、社名等も当時のままとしています。また、今では存在しないメーカー、商品もありますのがご了承ください。
1992年というから今から20年以上も前、滋賀県琵琶湖のブラックバスなどの外来魚の繁殖により、滋賀県の特産である「ふな寿司」などの名産に使うニゴロブナや、琵琶湖の佃煮の原料であるモロコやゴリなどが消えてしまうのではないかと大問題になったことがあった。
そこで、琵琶湖からブラックバスを撲滅することに国から補助金がついたので、漁師さんがいっせいにブラックバス捕獲しはじめたことがあった。
しかしながら、漁獲したブラックバスがどんどんと増えてくると、廃棄処分も間に合わず、保管する場所にも困るようになり、大量のブラックバスの活用方法を早急に考えなければならなくなっていた。 当時、ブラックバスの利用法として、フランス料理に使ったり、から揚げにしたりといった料理法が考えられていたが、それだけでは、とても大量のブラックバスを消化することができなかった。
当時、滋賀県の食品技術アドバイザーをしておられた日本食品開発研究所の故太田博士が、直営のすりみ工場を持っている舞鶴かまぼこ組合に目をつけられ、ブラックバスをすりみにしてかまぼこにすることができれば、毎日、数トンもの原料が消化できると考えられ、当時、太田博士と親しくしていた私に研究を依頼してこられたのであった。
ブラックバスは、スズキの仲間でもあり、肉食の白身魚でもある。 内臓はにおいがきついが、内臓を除去して水洗いをすると、さほど強烈な臭いもせず、淡水魚にしては淡白であるがうまみがあることもわかった。 ただ、実験の結果、弾力面では、高級品への使用が難しいので、当時は試験的にちくわやてんぷらに一部使用してみる実験を続けていた。
50センチを越える丸々としたブラックバスを当時、食通であった故嶋田正男前理事長が持ち帰られ、家で“あらい”にして食べられたが、美味しかったとの感想を聞いたことがあった。
ブラックバスは、弾力等では、北海道の陸上すりみ(スケソウダラ)クラスの成績を示していたので、価格さえ折り合えば、長期の使用は可能であると判断した。
使用実験を数ヶ月おこなって、実際に製品化していたが、実験が終了するころに、国の補助金が打ち切られたため、当時の滋賀県の沖島漁協からは、新鮮なブラックバスが届けられることはなくなった。
したがって、ブラックバスで煉製品を作るプロジェクトはその時点で終了してしまったわけであるが、実験室レベルでは、何度か板についたかまぼこを試作していたので、おそらく世界ではじめてブラックバスでかまぼこ作りをしたのは私ではないかと自負している。 当時、ブラックバスについては、ルアーフィッシングが最盛期の頃であり、わたしも、まだ幼かった息子とよく琵琶湖へバス釣りに出かけたものである。
当時はキャッチ&リリースが認められてたので、ちいさなブラックバスを生きたまま持ち帰り、家で飼育していた。1992年あたりから10年にわたるブラックバス飼育記録は、わたしの個人運営サイト「舞鶴生き物研究所」に今でも残している。<< ※現在は、ブラックバスを勝手に持ち帰り、飼育することは禁じられている。>>
「かまぼこ博士のかまぼこ百科」は、舞鶴かまぼこ協同組合の辻義雄専務理事(舞鶴市民から「かまぼこと博士」呼ばれています。)が執筆され、2011年から約4年間にわたり、舞鶴市民新聞に連載されたものです。かまぼこ、とりわけ舞鶴かまぼこへの愛に満ちた「かまぼこ博士のかまぼこ百科①~㊺」を順次掲載します。読めばあなたも「かまぼこ博士」。そして、舞鶴かまぼこがとても食べたくなってしまうでしょう。
なお、当コラムに掲載するにあたっては原文のままとし、日時や役職、社名等も当時のままとしています。また、今では存在しないメーカー、商品もありますのがご了承ください。
スケトウダラともスケソウダラとも言うが、その名前のとおりタラ目、タラ科の魚である。 最も大量に、最も安定的に生産と供給ができている冷凍すりみとして、世界中の煉製品の原料として使われている。
日本海、西北太平洋、ベーリング海だけに生息している。 昔は日本の船団がこうした海域に出向き操業をしてスケソウすりみを持ち帰っていたが、200海里専管水域が決まってからは、日本の船が勝手によその国の海域にはいることができなくなったため、工船を売却するなどをして海外で多くを生産するようになった。
つまり1990年代の10年の間にすりみは国産品から輸入品へとすっかり姿を変えてしまったのである。
スケソウダラ冷凍すりみの品質は上級から下級まできめ細かくランク付けされている。
ベーリングでの工船もの(船内がすりみ工場となっていて、漁獲してすぐに船内ですりみにされて、急速凍結されるもの)はその鮮度のよさから陸上すりみ(魚を水揚げして陸上のすりみ工場ですりみにされ急速冷凍されるもの)よりも上級のものができる。
主に舞鶴かまぼこ(板付きかまぼこ)の原料として買い付けしているすりみは、その中でも最高級(SAランク)のものである。
スケソウダラのすりみは、味はそれほど強くないが、そのしなやかさと色の白さは、かまぼこのよい食感をつくりだす為にはなくてはならないものとなっている。
しかも、ベーリング海では米国が徹底した資源管理をしているため、他の海域のような資源の枯渇のリスクも少なく、比較的安定な資源として世界中の煉製品メーカーが使用している。
スケソウダラでは、唯一の国産すりみとして残った北海道の陸上工場でつくるすりみも一部使用しているが、これも、舞鶴では別注品として品質の高いもののみを購入して、揚げ物(=天ぷら)、ちくわなどに使用している。
そもそも、魚肉すりみに砂糖、ソルビトールのような糖を配合して冷凍すると、たんぱく質の冷凍変性が抑えられるという発見があったからこそ、このようなすりみ産業が発展したのである。
現在、すりみ(Surimi)は国際用語になっている。 冷凍すりみは日本人が開発し、世界中にひろめた食糧資源である。 現在では、北洋資源のスケソウダラ、ホッケのほかに南米チリ周辺でホキ、南ダラ、東南アジアでイトヨリダイ、キントキダイ、ハモ、グチなどのすりみ生産がおこなわれ、世界中に流通するようになっている。
かまぼこ工場についても、すでにリトアニアにはヨーロッパ向けの煉製品をつくる世界最大規模の工場もできているらしく、原料だけでなく製品(かまぼこ)製造も世界中にひろまってきている。 むろん日本以外でつくられているかまぼこ類は、カニ肉に似せた商品、揚げ物などが中心であり、板についたスタイルのかまぼこはほとんど流通していない。
「かまぼこ博士のかまぼこ百科」は、舞鶴かまぼこ協同組合の辻義雄専務理事(舞鶴市民から「かまぼこと博士」呼ばれています。)が執筆され、2011年から約4年間にわたり、舞鶴市民新聞に連載されたものです。かまぼこ、とりわけ舞鶴かまぼこへの愛に満ちた「かまぼこ博士のかまぼこ百科①~㊺」を順次掲載します。読めばあなたも「かまぼこ博士」。そして、舞鶴かまぼこがとても食べたくなってしまうでしょう。
なお、当コラムに掲載するにあたっては原文のままとし、日時や役職、社名等も当時のままとしています。また、今では存在しないメーカー、商品もありますのがご了承ください。
イトヨリダイはスズキ目、イトヨリ科に属し、南日本から東南アジアに分布している。
紅色に輝くからだの側面に八本の銀色の線が入っている美しい魚であるイトヨリダイの名前にはタイがついているが、いっぱんに言う鯛(タイ)ではないため、この魚をつかったからといって、練り製品に“鯛ちくわ”“鯛かまぼこ”などというネーミングをつけることは虚偽表示として認められていない。 そのため、舞鶴の鯛ちくわ(丸海謹製)にはレンコダイを原料として使っている。
日本海でのイトヨリの漁獲量は少ないが、南シナ海、シャム湾、ベンガル湾などの比較的温帯、熱帯の海ではイトヨリダイが大量に底引き網で漁獲されている。
そのため、タイ、インドなどの東南アジアでは、重要な冷凍すりみの原料魚となり、製造したすりみは、自国のほか、日本、欧州など世界中に輸出されている。
舞鶴でも、この魚については、鮮魚から生すりみにすることはほとんど無く、今ではほとんど商社経由で冷凍すりみを東南アジアから輸入している。
東日本の煉製品メーカーが、スケソウダラなどの北の魚を多用しているのに対して、西日本の煉製品メーカーは、イトヨリなどの東南アジアものを多用する傾向がある。
舞鶴では、東南アジアのイトヨリダイのすりみは、品質の高いものだけを輸入して使用しているが、北の魚、地元の魚、南の魚をバランスよく使っている珍しい生産地と言ってもよいだろう。
イトヨリダイは、低温でも高温でもよく座り(本加熱前の温度処理で弾力がますことを坐りという)がかかるが、これも60℃くらいの温度で前処理すると、あとで90℃で蒸しあげても弾力が極端に低下する。 これは先に、グチやエソで述べたことと同様の現象であり、この温度帯がプロテアーゼ(タンパク分解酵素)の働きをよくすることが原因であるといわれている。
グチと同様、イトヨリダイも重合リン酸塩を加えると塩ずり肉の粘度が低下して、だれやすくなる。
昔から、舞鶴では、このダレを嫌う為に、冷凍すりみも無塩すりみよりも加塩すりみ(塩がはいっているかわりに重合リン酸塩が入っていないもの)をよく使っていた。
しかし、最近では、いろんな研究開発が進み、無塩すりみもうまく使えるようになってきている。
いずれにしても、イトヨリダイは坐りという予備加熱の工程を入れることで、強い弾力をつくり、一般的にスケソウダラよりも味が良いことから、板かまぼこにもすこし配合されていることが多い。
しかしながら、このイトヨリダイすりみの生産地であったタイ、インドの資源も近年では、近隣諸国の国情不安定さと燃料の高騰、資源の枯渇化により三重苦の状態になってきており、生産地はインドネシア、マレーシアに徐々に移ってきているように思える。
「かまぼこ博士のかまぼこ百科」は、舞鶴かまぼこ協同組合の辻義雄専務理事(舞鶴市民から「かまぼこと博士」呼ばれています。)が執筆され、2011年から約4年間にわたり、舞鶴市民新聞に連載されたものです。かまぼこ、とりわけ舞鶴かまぼこへの愛に満ちた「かまぼこ博士のかまぼこ百科①~㊺」を順次掲載します。読めばあなたも「かまぼこ博士」。そして、舞鶴かまぼこがとても食べたくなってしまうでしょう。
なお、当コラムに掲載するにあたっては原文のままとし、日時や役職、社名等も当時のままとしています。また、今では存在しないメーカー、商品もありますのがご了承ください。
トビウオはダツ目トビウオ科の魚で世界の暖海域に約60種類ものトビウオが生息しているそうである。 舞鶴では、「丸とび」、「角とび」と上から見た頭の形の違いで2種類に分けている程度ではないだろうか?
出雲の野焼きちくわや山陰のアゴちくわの原料として有名である。だが、現在では、アゴ(=トビウオ)を主たる原料として製品作りをしているメーカーは少なくなってきていると聞いている。
漁期は夏の3ヶ月間ということで短い。 舞鶴でも20年ほど前には大量に水揚げされ、すりみにして毎年夏場には、かまぼこに使っていたことがある。
また、私がこの業界に足を踏み入れた頃、夏になると、毎年トビウオがかならず一ヶ月程度は続いて獲れたので、舞鶴でも夏の風物詩としてトビウオを原料とした“厚焼きかまぼこ”を作っていた。
トビウオは、肉質は白いのだが肉の中に血管が多数分布している(空を飛ぶ為、血管が発達しているのかもしれない)ので、かまぼこにするとやや色がくすんで灰色っぽくなる。
それゆえ、高級品については、あまりたくさんは使うことができず、グチの二、三割程度を置き換えて使う程度であったことを覚えている。
最近、地元では昔のように夏に大量にトビウオが獲れることもなく、すりみに多用することはなくなっているが、また、海の資源状況が良くなれば、使うこともあるだろう。
この魚は冷凍耐性が強いので、凍結貯蔵をしておいて1年を通じて使うこともできる。
ただ、舞鶴では生の鮮魚にこだわってきた関係で、冷凍魚をつかってすりみにすることはこれまでやってこなかったので、トビウオが多く獲れてもかまぼこ用に冷凍にして保管するということは現在もしていない。
<<たちうお>>
タチウオはスズキ目サバ亜目タチウオ科に属する。鋭い歯をもち、長く扁平な体となによりも銀色に輝くその色で非常にポピュラーな魚である。
大型のものは塩焼きなどにすると美味しいので鮮魚扱いで出荷されてしまうため、われわれ練り業者は少し小さいのを買ってすりみにして使う。
この魚も表面の銀粉が身の中に混入して、かまぼこの色が灰褐色になりやすいので、白さを大切にする高級かまぼこには使えない。
舞鶴では、味は非常によい魚なので、色の白さをそれほど要求されない天ぷら、ちくわ等に使っている。
タチウオを使った有名な商品といえば、紀州の産品で有名となった“ほねく”といわれる天ぷらである。 これはタチウオをすりみにせず、頭と内臓以外を丸掛けした(まるごとすり潰した)天ぷらである。
まさに、色とか食感は犠牲にしても、タチウオの旨みだけを活用した商品といえる。
舞鶴では、同様に魚を丸掛けした商品が生産されているが、その代表選手がいわしちくわ(丸海謹製)やジャコだらけ天(嶋岩謹製)などである。
「かまぼこ博士のかまぼこ百科」は、舞鶴かまぼこ協同組合の辻義雄専務理事(舞鶴市民から「かまぼこと博士」呼ばれています。)が執筆され、2011年から約4年間にわたり、舞鶴市民新聞に連載されたものです。かまぼこ、とりわけ舞鶴かまぼこへの愛に満ちた「かまぼこ博士のかまぼこ百科①~㊺」を順次掲載します。読めばあなたも「かまぼこ博士」。そして、舞鶴かまぼこがとても食べたくなってしまうでしょう。
なお、当コラムに掲載するにあたっては原文のままとし、日時や役職、社名等も当時のままとしています。また、今では存在しないメーカー、商品もありますのがご了承ください。
エソはハダカイワシ目エソ科の魚で、世界中の暖海域に分布している。 巨大なアゴと鋭い歯を持ち、非常に獰猛で、写真のように漁獲された網の中でも捕食をして口に他の魚を丸のみしている姿をよくみかける。
舞鶴ではエソの種類はあまり気にせず使っていることが多いが、ワニエソ、トカゲエソ、マエソの3種類が主に漁獲されているらしい。
エソは肉色が非常に白い。グロテスクな魚であるが、藤六かまぼこの先代の店主がよくすりみ工場から、エソのアラを持ち帰って、よろこんで家で食されていたのを思い出す。
あまりにその姿がグロテスクで、顔だけを見ているとゴジラか、エイリアンのように見えたりするので、本当に美味しいのか半信半疑であったが、分析してみるとエソは旨みの非常に強い魚であるということがわかった。 やはり先代の舌は確かだったことが証明されたわけである。最近、エソは舞鶴で比較的よく水揚げされるようになっている。
鮮度のよいエソは、グチと同様に40℃~50℃で高温坐りをかけると弾力の強いかまぼこができる。 ただ、エソでつくる弾力にはグチのようなしなやかさが足りない。
ただ、焼き抜き(蒸さずに最後まで遠火で焼いてつくる)かまぼこについては、独特のよい食感がでるので、山口県の仙崎地区や紀州田辺、豊橋の焼きちくわなどの高級かまぼこを中心とする生産者は、舞鶴におけるグチと同じようにエソを重宝しているようである。
また、グチとの違いとして大きい特徴は、鮮度低下がかまぼこのアシ(=弾力)形成を致命的にするということである。 グチのように遠い漁場から運んできて、陸上ですりみにするということができず、漁場が遠いと、かまぼこの原料としてはあきらめないといけないくらいである。
また、冷凍にも弱く、エソは冷凍にすると、急速に冷凍変性がおこってかまぼこ原料にならなくなるのである。
いずれにしても、この魚をかまぼこにするためには、時間との闘いである。
舞鶴では、弾力面でのエソへの期待はなく、むしろ、味付けに利用しているため、鮮度が特によいものは板かまぼこにも使用するが、天ぷらやちくわの味付けの原料として活用していることのほうが多い。
エソが冷蔵中や氷蔵中に、かまぼこにならなくなる理由として、体内でトリメチルアミンオキサイドを分解してホルマリンを作る性質があり、これがたんぱく質を急速に変性させることが原因であることがわかっている。
余談であるが、エソはその身が美味しいのはもちろんだが、その皮も脂肪が多くて旨みに富んでいるため、四国の八幡浜や紀州田辺では、ごぼうに皮を巻きつけてたれをつけてあぶり焼きにして“八幡巻き”という名産品として売られている。
「かまぼこ博士のかまぼこ百科」は、舞鶴かまぼこ協同組合の辻義雄専務理事(舞鶴市民から「かまぼこと博士」呼ばれています。)が執筆され、2011年から約4年間にわたり、舞鶴市民新聞に連載されたものです。かまぼこ、とりわけ舞鶴かまぼこへの愛に満ちた「かまぼこ博士のかまぼこ百科①~㊺」を順次掲載します。読めばあなたも「かまぼこ博士」。そして、舞鶴かまぼこがとても食べたくなってしまうでしょう。
なお、当コラムに掲載するにあたっては原文のままとし、日時や役職、社名等も当時のままとしています。また、今では存在しないメーカー、商品もありますのがご了承ください。
シログチは舞鶴かまぼこの高級品に使われている魚種であり、現在でも、毎日、組合のすりみ工場ですりみにして、舞鶴のかまぼこ屋さんに届けている。
グチ類はスズキ目スズキ亜目ニベ科に属する。ニベ科の魚は頭部に大きな耳石(じせき)を持っているので、よくイシモチとよばれる。
ニベ科の魚が最も多く漁獲されているのが、黄海、東シナ海の以西底引き網漁業であった。 過去形で書いたのは、実は、近年になって以西底引き網漁業の衰退がみられ、ニベ類を漁獲する船団がほとんど姿を消してきたからである。
しかしながら、タイをはじめとする東南アジアにも、日本のシログチとよく似た鰓のうしろに黒い斑点のあるタイワンシログチがいる。ただ、何種類かのニベ類と混獲されるために、シログチだけのすりみは生産されておらず、また、日本の以西底引きで漁獲されたものと比較すると全体的に品質が悪い。
現在では、良質のシログチ原料は、中国の漁船で漁獲して、日本の港に揚げる鮮魚と、中国のすりみ工場でつくったシログチの冷凍すりみに限られている。 お隣の韓国では、日本における“鯛”のように、ハレの席の料理に使われる魚である。
地元舞鶴では、少しだが獲れても、鮮魚としての価値は少ないが、たまにスーパーなどのお刺身コーナーで「クツ」という名前で販売されており、私はたまに買って食べるが、白身の淡白な味の魚である。
ただ、地元で獲れるグチ(地元ではクツと呼ばれる)は、残念ながらかまぼこには、さほど向いておらず、以西底引きで獲れるグチよりも少し品質が劣る。 同様に瀬戸内海でとれるグチも使用するが、これも、鮮度がよくても、舞鶴産と同じで、高級かまぼこには余り向いているとはいえない肉質をしている。
しかしながら、グチ類はしなやかさのある強いアシ(=弾力)のかまぼこをつくるためにはなくてはならない魚である。ちょうど、この食感が舞鶴かまぼこの特徴ということになる。
舞鶴かまぼこは2段加熱(一度に蒸さず、40℃~50℃の低温で蒸してから、90℃以上の高温で蒸しあげる)の製法をとっているが、まさにこれはシログチの弾力を最もうまく引き出す為の加熱方法であり、原料魚のこだわりとあわせて舞鶴の伝統の製法となっている。
ただ、温度加減は微妙で、55℃から60℃の温度で蒸してから、高温で蒸しあげると、まったく弾力のないかまぼこになってしまう。 わずか5℃~10℃温度を間違えただけで全く違う品質の商品になってしまうのである。
この魚は、また、かまぼこのために生まれてきたような魚で、鮮度が少々落ちても、なかなかかまぼこのアシ(=弾力)をつくる能力が落ちないのである。
現在のようにコールドチェーンが完備していなかった時代に、かなり遠くはなれた工場まで運んでからかまぼこにしても、そこそこのかまぼこができたらしい。
しかしながら、鮮度が落ちると臭いがするなど、品質には悪影響を及ぼす為、現在では、グチの秘められたその能力の恩恵をうけることはない。