うおづるくん 舞鶴のさかな 一般社団法人舞鶴市水産協会

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カテゴリー: コラム

投稿日/2024年1月25日

舞鶴市民に愛されているかまぼこ  かまぼこ百科㉕

かまぼこ博士のかまぼこ百科


「かまぼこ博士のかまぼこ百科」は、舞鶴かまぼこ協同組合の辻義雄専務理事(舞鶴市民から「かまぼこ博士」と呼ばれています。)が執筆され、2011年から約4年間にわたり、舞鶴市民新聞に連載されたものです。かまぼこ、とりわけ舞鶴かまぼこへの愛に満ちた「かまぼこ博士のかまぼこ百科①~㊺」を順次掲載します。読めばあなたも「かまぼこ博士」。そして、舞鶴かまぼこがとても食べたくなってしまうでしょう。
なお、当コラムに掲載するにあたっては原文のままとし、日時や役職、社名等も当時のままとしています。また、今では存在しないメーカー、商品もありますのがご了承ください。

舞鶴市民に愛されているかまぼこ

総務庁統計局の家計調査の一世帯あたりの練製品の年間支出金額(1997年調査)で、都道府県庁所在地別では多いところは仙台、長崎、山口、松江、高知、松山、和歌山、富山などの順番になっていた。
1番目の仙台を除けば、上位はすべて西日本の都市がしめており、西高東低のかまぼこの消費傾向がはっきりとしている。品目別でみると、揚げ蒲鉾(天ぷら、さつまあげ)では鹿児島が一番多く、高知、高松、大阪、和歌山など太平洋側で多い ようである。ちくわは鳥取が群を抜いて多く、徳島、松山、佐賀、熊本と続く。かまぼこは笹かまで有名な仙台が1位で、次いで富山、長崎、松江で消費が多いようである。京都府は残念ながらランキング上位には位置していない。だが、舞鶴市だけを調査した結果、驚くべきことがわかった。
平成22年に舞鶴蒲鉾協同組合が詳細な統計調査した資料によると、舞鶴市民が舞鶴かまぼこ(天ぷら、ちくわを含む)を消費している金額は、年間で1世帯あたり 13,838円であった。
全国平均で、同年の一世帯あたりのかまぼこ類への年間支出金額は 8,941円となっていることを考えると、この数字は驚異的であり、舞鶴市民がいかに舞鶴かまぼこを購入しているかが、数字の上でも明確になったわけである。
他に舞鶴以外の煉製品も消費されていることを考えると、舞鶴市民は他の地域では考えられないほどに、煉製品、特に舞鶴のかまぼこが大好きなのである。
もちろん、この金額は、一般に小売店で買って一家のおかずとして消費するものと、中元、歳暮などを中心に遠く離れた家族、親戚、知人などに贈られているものなどを合算したものである。
このことからも、家庭で消費するものの他に、市民が外部へ舞鶴名産品として発送したり、持って出たりする量も無視できないほど多いということが想像できる。
そう考えると、市民の舞鶴かまぼこに対する愛情と支援は非常にありがたいものであり、生産者としては品質で市民を裏切るようなことは決してしてはいけないのだということをあらためて痛切に感じるのである。
舞鶴市内には、ピーク時には30軒近いかまぼこ屋さんがあったというが、現在操業しているのは舞鶴かまぼこ協同組合の傘下組合員企業5社(嶋七、髙作、藤六、嶋岩、丸海)のみとなってしまっている。
しかし、少なくなったとはいえ、少数精鋭で、残った組合員企業は伝統の技術を継承する強い意思を持って、互いに切磋琢磨努力をする一方、舞鶴かまぼこ協同組合という組織を仲立ちとしながらも、非常に仲よく活動をし、月に数回集まり、情報交換をおこなったり、組合随一の酒飲みで知られる私を中心としたノミニケーションをおこなったりしており、「わが社さえよければ……」というような経営者が一人もおらず、共存共栄に腐心しているのも唯一の強みである。
舞鶴市では『舞鶴かまぼこ』が第一号の地域ブランド産品の認定を特許庁から受けることができたのも、そのあたりに原因があるのかもしれない

投稿日/2024年1月24日

商品紹介 「調味すり身」丸海食品謹製     かまぼこ百科㉔

かまぼこ博士のかまぼこ百科


「かまぼこ博士のかまぼこ百科」は、舞鶴かまぼこ協同組合の辻義雄専務理事(舞鶴市民から「かまぼこ博士」と呼ばれています。)が執筆され、2011年から約4年間にわたり、舞鶴市民新聞に連載されたものです。かまぼこ、とりわけ舞鶴かまぼこへの愛に満ちた「かまぼこ博士のかまぼこ百科①~㊺」を順次掲載します。読めばあなたも「かまぼこ博士」。そして、舞鶴かまぼこがとても食べたくなってしまうでしょう。
なお、当コラムに掲載するにあたっては原文のままとし、日時や役職、社名等も当時のままとしています。また、今では存在しないメーカー、商品もありますのがご了承ください。

商品紹介 「調味すり身」丸海食品謹製

当初は、すりみを加熱して製品として出荷している煉製品業者にとって、その素材であるすりみを生でそのまま消費者に提供するという思い切った発想で商品化したものが、この調味すりみシリーズであり、丸海食品㈱が製造している。社長は 若村和重氏(昭和14年生まれ)であり、今や組合員の中では最長老となった。
魚肉は、すりみにすると、普通は“すわり”という現象をおこして、元々すりみが持っていたねばりと加熱したときに弾力をつくる能力がそこなわれてしまう。(タンパク質が変性をおこすからである。)
ある程度の時間が経過しても、“すわり”の現象の進行を抑えて、家庭ですりみを料理素材として活用していただくというのが当初の目的であった。
“すわり”現象にすりみがやられないうちは、野菜と混ぜ合わせたりして、油で揚げれば、アツアツの野菜天ぷらの味を楽しめたりするのだろうが、この商品は、あくまで“鍋”をターゲットにしており、このままの形で、鍋の中に落すと、工場でできあがったばかりのつみれの味も楽しむことができる。
関西地区は、関東地区と比較すると、このつみれを食べる習慣が少なかったが、最近、鍋もいろんなものができて、その味付けも、鍋に入れる素材もバラエティに 富むようになった。
従来の和風のものから、中華風、洋風、エスニック風と味そのものも色々と楽しめるようになった現在、その中に入れる具材の種類もどんどん増えてきている。
調味すりみシリーズでは、イワシ、アジのような色はやや黒いが、旨みの強いすりみもあり、タイやハモのように、淡白だが色の白いすりみもあり、寄せ鍋をしても、それぞれの魚の味がして、美味しい。
なによりも、魚の骨を取る必要もなく、そのまま丸ごと食べれるというのもありがたい。
特に赤身の調味すりみには小骨がまるごとすりつぶされて入っているので、無理なくカルシウムも多く摂取することができるので、育ち盛りの子供にはたくさん食べさせてあげたい。
我が家でも、寒い冬の鍋料理には欠かせないアイテムとなっている。
こうした調味すりみは、多少、ねばりと弾力を失ってタンパク変性を起こしているので、鍋に入れて加熱をすることで、かえって繊維がばらけたような状態になり、ちょうどカニ身のような状態になり、中に出汁をたっぷり含んでくれるので、これはこれで、考えようによっては美味しい。
一時は、絞りだしの袋に入れて、家庭で鉄板の上に絵や文字を絞り出し、焼いて食べる子供向けの遊びのような商品も開発したこともあったが、残念ながら定着することはなかった。
かまぼこ屋さんたちのアシ (=弾力)を重視する考えからは、こうした商品はうまれなかったのかもしれない。
実は、生すりみをこのような形にして、チルドで流通させたのは、おそらく丸海食品が日本初であった。商品を発売してから、単品で1億円商材になったこともあり、当時は、久しぶりに舞鶴からヒット商品が生まれたと大喜びしたのであった。

投稿日/2024年1月23日

商品紹介 「焼きの極」髙作謹製  かまぼこ百科㉓

かまぼこ博士のかまぼこ百科


「かまぼこ博士のかまぼこ百科」は、舞鶴かまぼこ協同組合の辻義雄専務理事(舞鶴市民から「かまぼこ博士」と呼ばれています。)が執筆され、2011年から約4年間にわたり、舞鶴市民新聞に連載されたものです。かまぼこ、とりわけ舞鶴かまぼこへの愛に満ちた「かまぼこ博士のかまぼこ百科①~㊺」を順次掲載します。読めばあなたも「かまぼこ博士」。そして、舞鶴かまぼこがとても食べたくなってしまうでしょう。
なお、当コラムに掲載するにあたっては原文のままとし、日時や役職、社名等も当時のままとしています。また、今では存在しないメーカー、商品もありますのがご了承ください。

商品紹介 「焼きの極」髙作謹製

『焼の極(やきのきわみ)』は、第61回全国蒲鉾品評会(平成21年)で、水産庁長官賞を受賞したことで一躍有名になった。
さらに、大阪で実施された第60回全国水産加工たべもの展 (平成23年)でも、みごと水産庁長官賞を受賞し、舞鶴では数年の間に同じ商品が二度も長官賞を受賞した例はない。
この焼板は実に美味しい。生産者は舞鶴でも独特の製法で知られる“髙作”であり、店主は髙野真一氏(昭和32年生まれ)である。
彼は、自分で何台もパソコンを組み立てたり、会社や家屋のちょっとした改造を自分でしたりと、たいへん器用なところもあり、自然科学などに対する造詣も深く、かまぼこ屋の主人とは思えないような知識を披露し、その場を驚かせたりすることが多い。
数年前、私が、市内の宮前町界隈の飲み屋さんではしご酒をしていると、おつまみにこのかまぼこをカットしたものがでてきたことがあったが、それを食べたとき、乾いたオカキやスルメでなかったので、かえって新鮮で、手前勝手ながら、やっぱり『焼の極』は美味しいものだといたく感動した思い出がある。
表面を焼くことで、すりみの火ぶくれした少々厚めの皮ができ、それが少し歯にあたって香ばしい。また、それを突き破って下の身に歯が到達すると、こんどはソフトでしなやかな雑味のない透き通った味覚が感じられ、それが皮の香ばしさと一体になってのどに送られる。食べるとそんな表現がぴったりのかまぼこである。
髙作はこのシリーズ第二稿でも述べたが、現存の舞鶴のかまぼこ屋さんの中では、もっとも古く、創業は江戸時代というからすごい。
しかしながら、古い歴史とは別に、絶えず新しい技術を取り入れて製造しており、伝統の技術をうけつぎながら、近代化も同時に進めている。これが、老舗の老舗たるゆえんなのかもしれない。
特に、練成工程では、舞鶴の他のかまぼこ屋さんの多くが、サイレントカッターを使用している中で、いち早くボールカッターに切り替え、真空、高速などの条件を加えることで、きめ細かく、みずみずしい食感をうみだすことに成功している。
髙作は、家族中心の個人商店であり、規模はそれほど大きくはないが、近年、舞鶴市魚屋に新工場を建て、4人の子育てをし、PTAやロータリークラブなどの活動にも積極的に参画しながら、かまぼこ生産に励んでいる。
平成20年に舞鶴蒲鉾協同組合の理事長であった嶋田正男氏が亡くなった後、髙作の店主である髙野 真一氏が舞鶴かまぼこ協同組合(平成24年に社名変更)の理事長となり、日々、舞鶴かまぼこの発展のために努力している。
話はそれるが、髙野真一氏の父親で先代の故髙野利夫氏(平成8年没) はかまぼこ製造中にサイレントカッターで誤って指を落とし、煉り肉の中から自分の指をさがし出し、それを氷漬けにして自ら病院に行き、治療を受けたという気丈な方で、業界では有名な話である。むろん、髙作に限らず、かまぼこ屋さんには他にも武勇伝をもった気丈な人が多い。

投稿日/2024年1月23日

商品紹介 「海峰」「かに物語」  かまぼこ百科㉒

かまぼこ博士のかまぼこ百科


「かまぼこ博士のかまぼこ百科」は、舞鶴かまぼこ協同組合の辻義雄専務理事(舞鶴市民から「かまぼこ博士」と呼ばれています。)が執筆され、2011年から約4年間にわたり、舞鶴市民新聞に連載されたものです。かまぼこ、とりわけ舞鶴かまぼこへの愛に満ちた「かまぼこ博士のかまぼこ百科①~㊺」を順次掲載します。読めばあなたも「かまぼこ博士」。そして、舞鶴かまぼこがとても食べたくなってしまうでしょう。
なお、当コラムに掲載するにあたっては原文のままとし、日時や役職、社名等も当時のままとしています。また、今では存在しないメーカー、商品もありますのがご了承ください。

商品紹介 「海峰」「かに物語」

海峰(かいほう)は、昨年、東京で開催された第63回全国かまぼこ品評会(審査会)において、みごと、水産庁長官賞を受賞した舞鶴の誇る板かまぼこである。
この商品は舞鶴では㈱嶋七で製造、販売されている。㈱嶋七の社長は嶋田克己氏(昭和44年生まれ)であり、非常に若い社長であるが、妻の嶋田典子さんと共に、水産の最高学府といわれる東京海洋大学を卒業している。
嶋七のこのかまぼこには、選別された最高の鮮魚が使われている。
その鮮魚の頭を取り、内臓を除去し、綺麗に洗ったあと、採肉機にかけて、魚肉と骨、皮を分離し、魚肉をさらに水にさらして、血合い、夾雑物など水溶性のものや上に浮いた脂などを捨てて、脱水することで、色の白い身ができあがる。
これに塩を加えてねばりのある肉糊にしてから、調味料、卵白、みりんなどで味付け調整したのち、板の上に成型して蒸しあげていく。(弾力を引き出す為に、2段階の温度で丁寧に蒸しあげる。)といった非常に手間のかかる製法で作りあげられたのが海峰(かいほう)である。
材料にこだわっているので、少々高価かもしれないが、舞鶴かまぼこのシコシコとした弾力とみずみずしさを持ち、透明感のある切断面をもった贅沢な味をぜひ一度賞味していただきたいと思う。
年末にかけて、全国からたくさんの注文が入り、出荷が集中するため、早めのご注文をいただけるとありがたいとのことである。
また、今月6日に解禁となった舞鶴ガニの姿をあしらった「かに物語」は、舞鶴では嶋七のみで製造されている。製法は、まず、かにの甲羅の内側からカニ本来の天然色素を塗って色をつけその中に、贅沢にも”かに”の生肉と“高級すりみ”をブレンドした身を手で詰めて、板にのせて蒸しあげるというものである。
まさに、すべて手作りの商品であると言えるだろう。
主に、この商品は、通信販売による受注生産が中心であり、手作りなので、当然できる量にも限界があり、年末の繁忙期などには注文に応じられない場合もあるという。
高級材料であるかにの正肉と、最高級のかまぼこの身とミックスしたものは共に海からの生物の原料であり、非常に相性が良く、お互いの特徴を保ちながら融合しているかのような食感と味をもっているといえよう。
そのまま食しても、手巻き寿司の具や、サラダにいれてもおいしさ抜群であるが、 私は酢の物の中に一緒に刻んで入れて、酒の肴として食べるのが最も美味しい食べ方だと思っている。嶋七のホームページは社長婦人である嶋田典子さんが運営をしており、手作りで非常に充実したサイトになっているので、ぜひ一度訪れてほしい。(ホームページアドレスは http://shima7.com/)

投稿日/2024年1月22日

商品紹介 じゃこだらけ、ほたて天(嶋岩謹製)  かまぼこ百科㉑

かまぼこ博士のかまぼこ百科


「かまぼこ博士のかまぼこ百科」は、舞鶴かまぼこ協同組合の辻義雄専務理事(舞鶴市民から「かまぼこ博士」と呼ばれています。)が執筆され、2011年から約4年間にわたり、舞鶴市民新聞に連載されたものです。かまぼこ、とりわけ舞鶴かまぼこへの愛に満ちた「かまぼこ博士のかまぼこ百科①~㊺」を順次掲載します。読めばあなたも「かまぼこ博士」。そして、舞鶴かまぼこがとても食べたくなってしまうでしょう。
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商品紹介 じゃこだらけ、ほたて天(嶋岩謹製)

『じゃこだらけ天』は、じゃこを骨ごとつぶして製品化している商品で、舞鶴では嶋岩でしか作られていない。㈱嶋岩は明治時代創業の会社であり、社長は嶋田宗昭氏(昭和32年生まれ)である。
商品のネーミングとおり、原料としてじゃこを多用している商品であり、じゃこといえば、舞鶴ではカタクチイワシの子供をさしていうのが通常であるが、この天ぶらの材料は、ホタルジャコ (四国地区ではハランボと呼ばれている。)という小魚である。

最近では、嗜好の変化から、煉製品も色の白いものが好まれる風潮になっているが、実際には白身の魚だけでなく赤身といわれる魚もいて、赤身の魚を原料とした煉製品の色は、灰色あるいは黒っぽい色になってしまう傾向が強い。
ただし、こうした色の黒い傾向の商品は概ね、食感が脆かったり、白身のそれに比較するとしなやかさに欠けたりするのだが、栄養面では、高度不飽和脂肪酸(EPA、DHAなど)といわれるような身体によい成分を豊富に含んでいる。
特にすりみにする際の水晒しを抑えて、魚の味を強く引き出すことを目的としているために、食感はややしなやかさに欠けるが、一部、小骨ごと魚の身がミンチされて、製造に使われているので、魚由来の栄養価も非常に高いし、カルシウムも豊富である。
ホタルジャコの身は赤身と白身の中間色をしており、これを使用した商品は、どちらかというと、揚げたあとの外観も、白身魚のすりみを揚げたようなキツネ色といわれる褐色系ではなく、灰色系の色調をしているのが特徴である。
元々、じゃこ天は四国の八幡浜地区を中心とした名産品として有名になってい るが、個人的には舞鶴の嶋岩製のじゃこ天のほうが、食感がソフトで、旨味もあり、 塩気も少なく食べやすいと思う。
よく市内の某スーパーで揚げたての温かいじゃこだらけ天を販売しており、うちの妻がたまに買って帰って、すこし表面を焼いて、大根おろしを添えて出してくれるが、本来の魚の風味がして非常にうまいので、私の好きな酒の肴のーメニューに加えることが多い。
ちなみに青森産のホタテを天ぷらに練りこんだ嶋岩の『ほたて天』は平成23年度全国水産加工たべもの展で、大阪府知事賞を受賞した。
ホタテのうま味と魚肉のうま味がミックスされていて、美味しく、しかもホタテ貝柱の繊維が口の中でほどよくばらける食感が非常に心地よい。
だが、受賞したとたんに、東北大震災がおこり、三陸の海産原料は壊滅的な打撃を受けたため、ほたて天に使用していた安価で品質のよいホタテ原料が確保できなくなった。このため、一時は注文に応じられなくなったが、東北の復興とともに、品薄状態も解消されてくるので、再び、たくさんの市民の口に入るようにと願っている。

投稿日/2021年11月5日

商品紹介「おらんだ」藤六謹製  かまぼこ百科⑳

かまぼこ博士のかまぼこ百科


「かまぼこ博士のかまぼこ百科」は、舞鶴かまぼこ協同組合の辻義雄専務理事(舞鶴市民から「かまぼこと博士」呼ばれています。)が執筆され、2011年から約4年間にわたり、舞鶴市民新聞に連載されたものです。かまぼこ、とりわけ舞鶴かまぼこへの愛に満ちた「かまぼこ博士のかまぼこ百科①~㊺」を順次掲載します。読めばあなたも「かまぼこ博士」。そして、舞鶴かまぼこがとても食べたくなってしまうでしょう。
なお、当コラムに掲載するにあたっては原文のままとし、日時や役職、社名等も当時のままとしています。また、今では存在しないメーカー、商品もありますのがご了承ください。

商品紹介「おらんだ」藤六謹製

古くから「おらんだ」と呼ばれている商品が舞鶴にある。 現在、舞鶴では蒲鉾屋の老舗のひとつである「藤六(ふじろく)」でしか作られていない。 藤六の店主は高野雄(昭和31年生まれ)である。
注文生産でもあり、すべて手作りなので、一日に生産できる本数も数十本に限定されているが、「おらんだ」は第61回全国かまぼこ品評会(平成21年)に出品したところ、いきなり水産庁長官賞を受賞し、一躍全国の脚光を浴びることとなった。
また、大阪で開催された第60回全国水産加工たべもの展(平成23年)の審査会でも、大阪府知事賞を取得しており、隠れた銘品となっている商品でもある。
これまで、自社の店頭売りしかしていなかったのであるが、この度、JR西舞鶴駅に出来た舞鶴観光ステーションや赤レンガパーク内の知恵蔵で販売されるようになっているので、ぜひお買い求めいただきたい。
「おらんだ」の名前の由来を店の主人である髙野雄氏に聞いてみたが、本人も先代からは伝え聞いてないらしく、いろいろ調べてみても、これというはっきりとした由来を記述したものにはめぐりあわない。
舞鶴では、小麦粉やパン粉など衣をつけて油で揚げたものも、魚肉すりみを油であげたものも両方「てんぷら」と呼んでいる。 関西一円でも、おおむね同様の呼び方をしている。
しかし、魚肉すりみを油で揚げた商品は、たとえば鹿児島に行くと「さつまあげ」だとか「つけあげ」、関東の一部では「揚げかま(ぼこ)」などと呼んで、衣のついたてんぷらと魚肉すりみを揚げたものとを区別している。
「天ぷら」の語源を調べてみるとおもしろい。オランダ語で油で揚げた食べ物を「テンポラ」と言ったことから、これがなまって「テンプラ」になったという説や、ポルトガル語では「テンペラ」と発音したので、それが「テンプラ」になったという説などがある。
こうしたことから、どこかの地域で、一時的に小麦粉、パン粉をつけて揚げた「テンプラ」と魚肉すりみを揚げた「テンプラ」を区別する際に、語源である言葉をもつ国の名「オランダ」を洋風な(ハイカラな)食品のネーミングとして利用したのではないかというのが私が苦労して調べ上げた末の推理である。 “オランダ”は調べると、舞鶴だけでなく、長崎、神戸など、当時外国との交流の盛んであった地域の煉製品のネーミングにも使われていた形跡があるが、現在は数えるほどしか残っていない。
この舞鶴の“おらんだ”の製法は、魚肉をいったん竹棒にまき、すだれを巻いて蒸しあげ、ちくわのような形のかまぼこをつくる。これをいったん冷やしてからサラダ油でじっくり揚げる。つまり、形を作ってから、蒸して、冷やして、また揚げるというけっこう面倒な一連の作業がすべて手作りで進められているわけである。
実際に食べてみると、表面はサラダ油で揚げたため、キツネ色に染まって香ばしいが、中心のほうはしっかりかまぼこ特有の弾力とあじわいを有している。 中央の空洞に野菜を入れて輪切りにして出すと、酒の肴に最適なのではないだろうかと思ったりする。

投稿日/2021年10月29日

ブラックバスでかまぼこを世界で初めて作った人  かまぼこ百科⑲

かまぼこ博士のかまぼこ百科


「かまぼこ博士のかまぼこ百科」は、舞鶴かまぼこ協同組合の辻義雄専務理事(舞鶴市民から「かまぼこと博士」呼ばれています。)が執筆され、2011年から約4年間にわたり、舞鶴市民新聞に連載されたものです。かまぼこ、とりわけ舞鶴かまぼこへの愛に満ちた「かまぼこ博士のかまぼこ百科①~㊺」を順次掲載します。読めばあなたも「かまぼこ博士」。そして、舞鶴かまぼこがとても食べたくなってしまうでしょう。
なお、当コラムに掲載するにあたっては原文のままとし、日時や役職、社名等も当時のままとしています。また、今では存在しないメーカー、商品もありますのがご了承ください。

ブラックバスでかまぼこを世界で初めて作った人 

1992年というから今から20年以上も前、滋賀県琵琶湖のブラックバスなどの外来魚の繁殖により、滋賀県の特産である「ふな寿司」などの名産に使うニゴロブナや、琵琶湖の佃煮の原料であるモロコやゴリなどが消えてしまうのではないかと大問題になったことがあった。
そこで、琵琶湖からブラックバスを撲滅することに国から補助金がついたので、漁師さんがいっせいにブラックバス捕獲しはじめたことがあった。
しかしながら、漁獲したブラックバスがどんどんと増えてくると、廃棄処分も間に合わず、保管する場所にも困るようになり、大量のブラックバスの活用方法を早急に考えなければならなくなっていた。 当時、ブラックバスの利用法として、フランス料理に使ったり、から揚げにしたりといった料理法が考えられていたが、それだけでは、とても大量のブラックバスを消化することができなかった。
当時、滋賀県の食品技術アドバイザーをしておられた日本食品開発研究所の故太田博士が、直営のすりみ工場を持っている舞鶴かまぼこ組合に目をつけられ、ブラックバスをすりみにしてかまぼこにすることができれば、毎日、数トンもの原料が消化できると考えられ、当時、太田博士と親しくしていた私に研究を依頼してこられたのであった。
ブラックバスは、スズキの仲間でもあり、肉食の白身魚でもある。 内臓はにおいがきついが、内臓を除去して水洗いをすると、さほど強烈な臭いもせず、淡水魚にしては淡白であるがうまみがあることもわかった。 ただ、実験の結果、弾力面では、高級品への使用が難しいので、当時は試験的にちくわやてんぷらに一部使用してみる実験を続けていた。
50センチを越える丸々としたブラックバスを当時、食通であった故嶋田正男前理事長が持ち帰られ、家で“あらい”にして食べられたが、美味しかったとの感想を聞いたことがあった。
ブラックバスは、弾力等では、北海道の陸上すりみ(スケソウダラ)クラスの成績を示していたので、価格さえ折り合えば、長期の使用は可能であると判断した。
使用実験を数ヶ月おこなって、実際に製品化していたが、実験が終了するころに、国の補助金が打ち切られたため、当時の滋賀県の沖島漁協からは、新鮮なブラックバスが届けられることはなくなった。
したがって、ブラックバスで煉製品を作るプロジェクトはその時点で終了してしまったわけであるが、実験室レベルでは、何度か板についたかまぼこを試作していたので、おそらく世界ではじめてブラックバスでかまぼこ作りをしたのは私ではないかと自負している。 当時、ブラックバスについては、ルアーフィッシングが最盛期の頃であり、わたしも、まだ幼かった息子とよく琵琶湖へバス釣りに出かけたものである。
当時はキャッチ&リリースが認められてたので、ちいさなブラックバスを生きたまま持ち帰り、家で飼育していた。1992年あたりから10年にわたるブラックバス飼育記録は、わたしの個人運営サイト「舞鶴生き物研究所」に今でも残している。<< ※現在は、ブラックバスを勝手に持ち帰り、飼育することは禁じられている。>>

投稿日/2021年10月22日

舞鶴かまぼこの原料魚(その5)  かまぼこ百科⑱

かまぼこ博士のかまぼこ百科


「かまぼこ博士のかまぼこ百科」は、舞鶴かまぼこ協同組合の辻義雄専務理事(舞鶴市民から「かまぼこと博士」呼ばれています。)が執筆され、2011年から約4年間にわたり、舞鶴市民新聞に連載されたものです。かまぼこ、とりわけ舞鶴かまぼこへの愛に満ちた「かまぼこ博士のかまぼこ百科①~㊺」を順次掲載します。読めばあなたも「かまぼこ博士」。そして、舞鶴かまぼこがとても食べたくなってしまうでしょう。
なお、当コラムに掲載するにあたっては原文のままとし、日時や役職、社名等も当時のままとしています。また、今では存在しないメーカー、商品もありますのがご了承ください。

舞鶴かまぼこの原料魚(その5) 

スケトウダラともスケソウダラとも言うが、その名前のとおりタラ目、タラ科の魚である。 最も大量に、最も安定的に生産と供給ができている冷凍すりみとして、世界中の煉製品の原料として使われている。
日本海、西北太平洋、ベーリング海だけに生息している。 昔は日本の船団がこうした海域に出向き操業をしてスケソウすりみを持ち帰っていたが、200海里専管水域が決まってからは、日本の船が勝手によその国の海域にはいることができなくなったため、工船を売却するなどをして海外で多くを生産するようになった。
つまり1990年代の10年の間にすりみは国産品から輸入品へとすっかり姿を変えてしまったのである。
スケソウダラ冷凍すりみの品質は上級から下級まできめ細かくランク付けされている。
ベーリングでの工船もの(船内がすりみ工場となっていて、漁獲してすぐに船内ですりみにされて、急速凍結されるもの)はその鮮度のよさから陸上すりみ(魚を水揚げして陸上のすりみ工場ですりみにされ急速冷凍されるもの)よりも上級のものができる。
主に舞鶴かまぼこ(板付きかまぼこ)の原料として買い付けしているすりみは、その中でも最高級(SAランク)のものである。
スケソウダラのすりみは、味はそれほど強くないが、そのしなやかさと色の白さは、かまぼこのよい食感をつくりだす為にはなくてはならないものとなっている。
しかも、ベーリング海では米国が徹底した資源管理をしているため、他の海域のような資源の枯渇のリスクも少なく、比較的安定な資源として世界中の煉製品メーカーが使用している。
スケソウダラでは、唯一の国産すりみとして残った北海道の陸上工場でつくるすりみも一部使用しているが、これも、舞鶴では別注品として品質の高いもののみを購入して、揚げ物(=天ぷら)、ちくわなどに使用している。
そもそも、魚肉すりみに砂糖、ソルビトールのような糖を配合して冷凍すると、たんぱく質の冷凍変性が抑えられるという発見があったからこそ、このようなすりみ産業が発展したのである。
現在、すりみ(Surimi)は国際用語になっている。 冷凍すりみは日本人が開発し、世界中にひろめた食糧資源である。 現在では、北洋資源のスケソウダラ、ホッケのほかに南米チリ周辺でホキ、南ダラ、東南アジアでイトヨリダイ、キントキダイ、ハモ、グチなどのすりみ生産がおこなわれ、世界中に流通するようになっている。
かまぼこ工場についても、すでにリトアニアにはヨーロッパ向けの煉製品をつくる世界最大規模の工場もできているらしく、原料だけでなく製品(かまぼこ)製造も世界中にひろまってきている。 むろん日本以外でつくられているかまぼこ類は、カニ肉に似せた商品、揚げ物などが中心であり、板についたスタイルのかまぼこはほとんど流通していない。

投稿日/2021年10月15日

舞鶴かまぼこの原料魚(その4)  かまぼこ百科⑰

かまぼこ博士のかまぼこ百科


「かまぼこ博士のかまぼこ百科」は、舞鶴かまぼこ協同組合の辻義雄専務理事(舞鶴市民から「かまぼこと博士」呼ばれています。)が執筆され、2011年から約4年間にわたり、舞鶴市民新聞に連載されたものです。かまぼこ、とりわけ舞鶴かまぼこへの愛に満ちた「かまぼこ博士のかまぼこ百科①~㊺」を順次掲載します。読めばあなたも「かまぼこ博士」。そして、舞鶴かまぼこがとても食べたくなってしまうでしょう。
なお、当コラムに掲載するにあたっては原文のままとし、日時や役職、社名等も当時のままとしています。また、今では存在しないメーカー、商品もありますのがご了承ください。

舞鶴かまぼこの原料魚(その4) 

イトヨリダイはスズキ目、イトヨリ科に属し、南日本から東南アジアに分布している。
紅色に輝くからだの側面に八本の銀色の線が入っている美しい魚であるイトヨリダイの名前にはタイがついているが、いっぱんに言う鯛(タイ)ではないため、この魚をつかったからといって、練り製品に“鯛ちくわ”“鯛かまぼこ”などというネーミングをつけることは虚偽表示として認められていない。 そのため、舞鶴の鯛ちくわ(丸海謹製)にはレンコダイを原料として使っている。
日本海でのイトヨリの漁獲量は少ないが、南シナ海、シャム湾、ベンガル湾などの比較的温帯、熱帯の海ではイトヨリダイが大量に底引き網で漁獲されている。
そのため、タイ、インドなどの東南アジアでは、重要な冷凍すりみの原料魚となり、製造したすりみは、自国のほか、日本、欧州など世界中に輸出されている。
舞鶴でも、この魚については、鮮魚から生すりみにすることはほとんど無く、今ではほとんど商社経由で冷凍すりみを東南アジアから輸入している。
東日本の煉製品メーカーが、スケソウダラなどの北の魚を多用しているのに対して、西日本の煉製品メーカーは、イトヨリなどの東南アジアものを多用する傾向がある。
舞鶴では、東南アジアのイトヨリダイのすりみは、品質の高いものだけを輸入して使用しているが、北の魚、地元の魚、南の魚をバランスよく使っている珍しい生産地と言ってもよいだろう。
イトヨリダイは、低温でも高温でもよく座り(本加熱前の温度処理で弾力がますことを坐りという)がかかるが、これも60℃くらいの温度で前処理すると、あとで90℃で蒸しあげても弾力が極端に低下する。 これは先に、グチやエソで述べたことと同様の現象であり、この温度帯がプロテアーゼ(タンパク分解酵素)の働きをよくすることが原因であるといわれている。
グチと同様、イトヨリダイも重合リン酸塩を加えると塩ずり肉の粘度が低下して、だれやすくなる。
昔から、舞鶴では、このダレを嫌う為に、冷凍すりみも無塩すりみよりも加塩すりみ(塩がはいっているかわりに重合リン酸塩が入っていないもの)をよく使っていた。
しかし、最近では、いろんな研究開発が進み、無塩すりみもうまく使えるようになってきている。
いずれにしても、イトヨリダイは坐りという予備加熱の工程を入れることで、強い弾力をつくり、一般的にスケソウダラよりも味が良いことから、板かまぼこにもすこし配合されていることが多い。
しかしながら、このイトヨリダイすりみの生産地であったタイ、インドの資源も近年では、近隣諸国の国情不安定さと燃料の高騰、資源の枯渇化により三重苦の状態になってきており、生産地はインドネシア、マレーシアに徐々に移ってきているように思える。

投稿日/2021年10月8日

舞鶴かまぼこの原料魚(その3)  かまぼこ百科⑯

かまぼこ博士のかまぼこ百科


「かまぼこ博士のかまぼこ百科」は、舞鶴かまぼこ協同組合の辻義雄専務理事(舞鶴市民から「かまぼこと博士」呼ばれています。)が執筆され、2011年から約4年間にわたり、舞鶴市民新聞に連載されたものです。かまぼこ、とりわけ舞鶴かまぼこへの愛に満ちた「かまぼこ博士のかまぼこ百科①~㊺」を順次掲載します。読めばあなたも「かまぼこ博士」。そして、舞鶴かまぼこがとても食べたくなってしまうでしょう。
なお、当コラムに掲載するにあたっては原文のままとし、日時や役職、社名等も当時のままとしています。また、今では存在しないメーカー、商品もありますのがご了承ください。

舞鶴かまぼこの原料魚(その3) 

トビウオはダツ目トビウオ科の魚で世界の暖海域に約60種類ものトビウオが生息しているそうである。 舞鶴では、「丸とび」、「角とび」と上から見た頭の形の違いで2種類に分けている程度ではないだろうか?
出雲の野焼きちくわや山陰のアゴちくわの原料として有名である。だが、現在では、アゴ(=トビウオ)を主たる原料として製品作りをしているメーカーは少なくなってきていると聞いている。
漁期は夏の3ヶ月間ということで短い。 舞鶴でも20年ほど前には大量に水揚げされ、すりみにして毎年夏場には、かまぼこに使っていたことがある。
また、私がこの業界に足を踏み入れた頃、夏になると、毎年トビウオがかならず一ヶ月程度は続いて獲れたので、舞鶴でも夏の風物詩としてトビウオを原料とした“厚焼きかまぼこ”を作っていた。
トビウオは、肉質は白いのだが肉の中に血管が多数分布している(空を飛ぶ為、血管が発達しているのかもしれない)ので、かまぼこにするとやや色がくすんで灰色っぽくなる。
それゆえ、高級品については、あまりたくさんは使うことができず、グチの二、三割程度を置き換えて使う程度であったことを覚えている。
最近、地元では昔のように夏に大量にトビウオが獲れることもなく、すりみに多用することはなくなっているが、また、海の資源状況が良くなれば、使うこともあるだろう。
この魚は冷凍耐性が強いので、凍結貯蔵をしておいて1年を通じて使うこともできる。
ただ、舞鶴では生の鮮魚にこだわってきた関係で、冷凍魚をつかってすりみにすることはこれまでやってこなかったので、トビウオが多く獲れてもかまぼこ用に冷凍にして保管するということは現在もしていない。
<<たちうお>>
タチウオはスズキ目サバ亜目タチウオ科に属する。鋭い歯をもち、長く扁平な体となによりも銀色に輝くその色で非常にポピュラーな魚である。
大型のものは塩焼きなどにすると美味しいので鮮魚扱いで出荷されてしまうため、われわれ練り業者は少し小さいのを買ってすりみにして使う。
この魚も表面の銀粉が身の中に混入して、かまぼこの色が灰褐色になりやすいので、白さを大切にする高級かまぼこには使えない。
舞鶴では、味は非常によい魚なので、色の白さをそれほど要求されない天ぷら、ちくわ等に使っている。
タチウオを使った有名な商品といえば、紀州の産品で有名となった“ほねく”といわれる天ぷらである。 これはタチウオをすりみにせず、頭と内臓以外を丸掛けした(まるごとすり潰した)天ぷらである。
まさに、色とか食感は犠牲にしても、タチウオの旨みだけを活用した商品といえる。
舞鶴では、同様に魚を丸掛けした商品が生産されているが、その代表選手がいわしちくわ(丸海謹製)やジャコだらけ天(嶋岩謹製)などである。

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